・佐藤達夫(綾野剛)

映画『そこのみにて光輝く』の主人公。

以前は仕事現場で人に指示を出すような立場で働いていたものの、職場で爆発事故が起こり責任を取るために仕事を辞め無職に。パチンコをしながらダラダラと無気力な生活を過ごしていました。パチンコで大城拓児に出会い、姉の千夏を紹介されることに…。時代に取り残されたような環境の中、必死に家族を支える千夏に次第に惹かれていきます。

そんな達夫を演じるのは日本の芸能界にとって唯一無二の存在である綾野剛。2003年に『仮面ライダー555』で俳優デビューを果たし、その後は映画やドラマを中心に大活躍。『そこのみにて光輝く』で演じた主人公の佐藤達夫役は、毎日映画コンクールにて主演男優賞を獲得しました。

・大城千夏(池脇千鶴)

映画『そこのみにて光輝く』のヒロイン。

病気で寝たきりの父とその看病に追われる母、刑務所から釈放中の弟を

身体を張りながら支えています。昼間は水産加工場で働き、夜は売春をして家族のために生活費を稼ぐ日々。中島との不倫関係を断ち切れずにいましたが、主人公の達夫と出会いお互い惹かれあうことに…。しかし、些細なことから衝突をしてしまいます。

そんな千夏を演じるのは、池脇千鶴。映画初出演の『大阪物語』で毎日映画コンクール新人賞を受賞した実力派女優として知られています。

『そこのみにて光輝く』では苦境ながら家族を支えていかなければいけない諦念を演技で表現し女優として改めて評価されることに。結果的に本作は池脇千鶴の代表作と言われるようになりました。

・大城拓児(菅田将暉)

千夏の弟で刑務所から仮釈放中の身分。日雇いの仕事をしており、中島の造園業を手伝っています。仕事に行かない日はパチンコ三昧。そこで主人公の達夫に出会うのです。逮捕歴はあるものの、社交的で初対面の人でもすぐに仲良くなれる性格で達夫とも意気投合。しかし、病気になった父のことを極端に毛嫌いしています。

そんな拓児を演じるのは、菅田将暉。2009年に『仮面ライダーW』で芸能界デビューを果たし、その後はイケメン俳優として人気を集めました。2013年の『共喰い』では日本アカデミー新人賞を受賞。翌年に『そこのみにて光輝く』で拓児役を演じ、高崎映画祭にて助演男優賞を受賞した実力派の若手俳優です。

・中島(高橋和也)

千夏の不倫相手であり、造園業を営んでいます。親しみやすい性格で職場でも周囲から慕われており、私生活でも妻子想いで絵に描いたような優しい性格。しかしそれはあくまで表向きの姿であり、裏では危険な雰囲気のある人物でした。千夏には自ら好意を寄せていますが、半ば強引に不倫に付き合わせていたのです…。

そんな中島を演じるのは高橋和也。「男闘呼組」のアイドルグループとして中学1年生で芸能界デビュー。その後グループは解散したものの、俳優や声優として幅広く活動しています。本作では千夏の不倫相手役としてふてぶてしくチンケな小物感をリアリティーに演じ、高崎映画祭では最優秀助演男優賞を受賞。俳優として再評価されるきっかけとなりました。

・大城泰治(田村泰二郎)

千夏と拓児の父で、脳梗塞を起こして自宅で療養中。ほとんど寝たきり状態で会話らしい会話もできません。

そんな泰治は俳優の田村泰二郎が演じ、存在感のある演技を突きとおしました。

・大城かずこ(伊佐山ひろ子)

千夏と拓児の母。泰治の看病疲れか、毎日疲れた表情で過ごしています。逮捕歴のある息子拓児が連れてくる人間はロクな人がいないと愚痴をこぼすことも…。

そんなかずこ役に女優の伊佐山ひろ子が抜擢。現実的な人物像を演じました。

・松本(火野正平)

主人公達夫の元職場の先輩。右目に仕事の発破作業中に負った傷があります。事故の責任を負い仕事を辞めた達夫を気にかけてくれる存在であり、何度か達夫に会っては一緒に働くよう誘っていました。

そんな松本を演じるのは俳優の火野正平。主にわき役として多くのテレビドラマや映画に出演しているものの、子役から芸能界で生きてきたベテラン俳優です。その温厚な顔つきと優しい表情で、達夫を気にかける元上司を演じました。